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 信号処理分野において、フィルタは必要な信号だけ通すという働きを持って、送信機・受信機それぞれで役に立つことがあります。

<フィルタの種類>

 フィルタは通過帯域ごとに低域通過フィルタ(LPF)、高域通過フィルタ(HPF)、帯域通過フィルタ(BPF)、帯域阻止フィルタ(BEF)の種類があります。

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    ※ 通過域 : フィルタで取り出したい信号の周波数帯域

   ※ 減衰域 : フィルタで除去したい信号周波数帯域

   各種フィルタの設計は多少異なるが、低域通過フィルタLPFを設計することができれば、他の種類のフィルタの設計はできることになると思います。

<MEL S-NAP(V5)でLPF設計仕様の説明

  LPFフィルタの通過域、阻止域特性によって、MEL S-NAP/Designでは以下の特性を持っているフィルタが設計できます。

 ・ バターワースフィルタ
 ・ チェビシェフフィルタ
 ・ 楕円フィルタ
 ・ ベッセルフィルタ

① バターワースフィルタ(Butterworsh)は通過域で最大平坦な振幅特性を持つLPFです。通過域内にリップルがない特徴があります。

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用途

 ・ 通過域にリップルを許容させない場合 

② チェビシェフフィルタ(Chebyshev)は通過域で等リップルとなるようなLPFです。通過域の利得が平坦ではないので注意が必要である。リップルの大きさは設計で決めることができます。

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 用途

 ・ 通過域にリップルを許容させる場合

③ 楕円フィルタ(Elliptic)は通過域と減衰域の両方で等リップルとなるようなLPFです。

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用途

 ・ 通過域と減衰域両側にリップルを許容させる場合

④ ベッセルフィルタ(Bessel)は通過域で遅延特性を持っているフィルタです。

<MEL S-NAP(V5)でLPF設計パラメータの説明>

 チェビシェフフィルタの設計を例として、入力パラメータを説明します。  

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 ソース/終端抵抗値 : 電源側及び負荷側の抵抗値

 カットオフ周波数 fc : ある周波数よりも低い周波数を通し、高い周波数を減衰させる、この周波数カットオフ周波数(あるいは遮断周波数)と言う。その周波数を超えると信号の電力利得は通過域より3dB低下する。バンドパスフィルタを設計する時、カットオフ周波数は帯域幅以外の周波数を選択する事。

 帯域内減衰量 : 通過域内のわずかな減衰量。通過域リップルRpとも言う。

 減衰域参照周波数 fa : 減衰域の減衰量を指示する周波数。たとえば1.5*fc程度の周波数。

 減衰域参照減衰量 Rs : 減衰域参照周波数での減衰量。

 次数 : 次数は設計で決めるが、帯域内減衰量と減衰域参照減衰量によって、次数が不足する場合に自動で増やすことができるので、設計する時は小さい次数を設定しておいた方が良いです。

<設計例>

 リップルRpを0.2dBにし、減衰特性が0.2dBを超え始める周波数fcを1GHzにする。また、適当な減衰域での周波数faを1.5GHzに設定して、その周波数での減衰量を30dBとする。ソース・終端インピーダンスは共に50Ωにする。

① MEL S-NAP(V5) → 【スタート】デザインを立ち上げて、LPFボタンを押す。

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② LPFダイアローグに設計パラメータ入力し、設計開始。

③ 設計された回路を回路エディタにコピー、ネットリスト出力する。

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④ S-NAP/Proの解析 → 単 → 解析 → 小信号 S パラメータ解析、スタート周波数とストップ周波数を設定し、解析する。

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