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周波数シンセサイザーPLL 回路にループ・フィルターの設計は様々の要素と関係し、単にロックすればいいだけではなくて、位相雑音C/N 値から、ループ・フィルターの定数をどのように決めるかを設計例で説明します。


設計例
VCO:ROS-766+ 発振周波数:730MHz〜766MHz(Kv=12.8MHz/V)
使用PLLIC:ADF4156(REF=10MHz)
使用周波数:752MHz〜758.6MHz Step:100KHz
ループ・フィルターの定数をの算出にあたっては、PLL設計ツールADIsimPLLをダウンロードして使用しました。ループ・フィルターの定数を決める前に、使用したREF10MHzの位相雑音C/N 値を測定しておくこと。


設計手順
【1】 ADIsimPLL のSetup
Custom VCO をチェックする時、Kv の値はカタログより、TUNE SENS(MHz/V)欄から、設定する。

【2】 Reference Phase Noise の設定は、取ったREF10MHz 位相雑音C/N 値の波形によって、測定ポイントの位相雑音C/N 値に近寄せるようにCurve を調整すること。

トピックス_1.jpg
トピックス_2.jpg

Corner/Floor:コーナ周波数とブロードバンドの位相雑音レベル
PN Floor :dBc/Hz で表示されるブロードバンド位相雑音レベル
Corner Freq:ブロードバンド位相雑音レベルにより、レベルが3dB 高い周波数


【3】 VCO の設定について、Custom VCO をチェックする場合、カタログにより、Performance Data&Curve を調整する。

設計されたループ・フィルター

トピックス_3.jpg

【4】 決めたループ・フィルターの定数で、VCO. 及び REF. 基準信号の 位相雑音 を与えて、Loop Bandwidth を変えて、PLL 出力の Total 位相雑音 C/N.値 の結果を シミュレーションする。このシミュレーションの結果から、Phase Margin = 45°では Loop Bandwidth 周波数 fc= 5KHzのループ・フィルターの定数:理論値と実装値(近似値)
C1 = 60.7nF = 15000pF+47000pF
R1 = 39.3Ω = 39Ω
C2 = 2.1μF = 1μF+1μF
R2 = 100Ω = 100Ω
C3 = 87.5nF = 0.1μF という値を求めることができた。

決めた定数で、設計されたPLL 回路の位相雑音C/N 値測定結果。

トピックス_4.jpg

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